22・23話 ビーロード:Bee lord

 bee:ミツバチ,ハチ

・アピス・ウェスパ:Apis vespa
  蜂男です。
 アピス:apis ハチ,ミツバチ.
 ウェスパ:vespa スズメバチ
「スズメバチ」(スズメバチ男)ですね。
・アピス・メリトゥス:Apis mellitus
  蜂女です。
メリトゥス:mellitus 1.蜂蜜の[で甘い]. 2.最愛の,愛しい. 
「ミツバチ」ですね。(愛しのミツバチ女?(^-^;;;)
  スズメバチ(中でもオオスズメバチ)は、最強の昆虫といって過言ではないでしょう。日本国内でクマやハブによる死者は年間数名ですが、スズメバチ(主にキイロスズメバチ)に刺されての死者は毎年3〜40名を数えます。昆虫の中では食物連鎖の頂点(クモやカマキリすら狩る)に位置し、天敵は殆どいません。

 彼等(ビーロード)は人間を(無機物と融合させ)壁に埋め込みます。ミツバチには、巣の中に大きすぎて運び出せない異物があると、蜜蝋で巣の中に塗り込めてしまうという習性があります。この場合の異物というのは、返り討ちにあった蜜泥棒のなれの果てです。
 *(蜜蝋:みつろう ビーズワックス:ミツバチが分泌するロウで巣の材料になる)

 夜、ミツバチの巣にメンガタスズメ(Acerontia styx 地中海沿岸産のものはA.atropos 別名dead head moth 一番イメージし易い例では、「羊達の沈黙」でジョディ・フォスターの口にとまっている蛾)が蜜泥棒にはいることがあります。当然ミツバチは排除行動に出ますが、敵は毛深いので針が届きません。我関せずといった風で腹一杯蜜を御馳走になって去っていきます。たまに返り討ちにあって殺されてしまうこともあるようですが。その場合は、蜜蝋で巣の内部に塗り込められて、じきにミイラ化してしまいます。メンガタスズメは旧ソ連の昆虫童話「チョンドリーノ」にも悪役で登場します。もちろん、結局は前述のような末路をたどるやられ役です。この話ではミツバチと仲良くなった主人公のアリ(元は人間)が足と羽を食い切ってやっつけます。成虫も幼虫もいかにも不気味な音を出すそうなので、一度見てみたいものですね。他にはゴマやナス科作物の害虫ということになっています。ハチの話が随分脱線してしまいました。

 ところで、実際の所、スズメバチの雄は、生殖以外は全くの穀潰しです。ハチの毒針は産卵管が変化したものなので、毒針は持たないし、巣を守る兵士としても役に立ちません。アピス・ウェスパの戦闘能力はなかなかのものでしたが。
 いちゃもんついでに・・・
 クウガのバヂスの回でも書きましたが、アナフィラキシーショックというものは、体内の抗体が引き起こすアレルギーなので、最低でも一度は蜂に刺されていないと起きません。しかも、抗体にも何種類かあり、アレルギーを起こすのはその中の一種類だけです。人によって抗体が異なるので、アレルギーを起こす人もいれば起こさない人もいるのです。皮膚科で検査をすれば抗体の種類がわかりますので、不安な方はどうぞ。(費用は\2,000程度だそうです)
 タイムリーなことに先日(2001/06/02)放送の「TVタックル」でスズメバチに触れていました。でも、アナフィラキシーショックについては説明が曖昧でしたね。小野正人氏が出演するのであれば、そこまで言及して欲しかったと思います。あれだと初めて刺された人にもアレルギーが出るように誤解されてしまいます。まあ、スタッフの編集の問題ですが。何にしてもハチに刺されて、蕁麻疹、血圧低下、嘔吐、意識障害等の症状が現れた場合はすぐ病院へ行って下さい。また、アレルギーが出なくても、大群に刺されたりした場合はもちろん大変です。喉を刺された場合は、腫れ上がって気管を塞ぎ窒息の危険があります。黒いものを狙うので目をやられることもあります。
 関連した生物の学名は
 ・オオスズメバチ:Vespa mandarinia ・セイヨウミツバチ:Apis mellifera

 ・・・今回はわりとそれっぽいですね。お陰で辞書を引くのも楽でした。


 読んでやっても良いぞ、という奇特な方は、スズメバチの巣獲りの話その1その2もどうぞ。m(_ _)m
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